日本人に根強く人気な高配当株・高配当ETFですが、高配当とあるように、目的はインカムゲインとなります。
インカムゲインとは株式や債券などの資産を保有することで得られる利益のことですね。
例えば、株式では配当金、債券では利子、不動産では賃貸が得られます。
さて、今回は株式の分野になるわけですが、高配当ETFと言っても数多くあります。
その中でどのようなETFを選べば良いのか考えてみましょう。
あくまで理想のETFですので、実際に理想通りのETFがある訳ではないと思います。
が、ETFを選ぶ際の参考になれば良いかと思います。
理想の高配当ETFの条件
理想的な高配当ETFの条件として以下の5つがあると考えます。
- 高配当であること
- 程よく分散されていること
- 増配が続くこと(減配しない)
- 価格下落リスクが低いこと
- 価格が長期的に下落せず、変わらないもしくは緩やかな上昇であること
一つずつ見ていきましょう。
高配当であること
当たり前ではありますが、インカムゲインを狙うのであれば高配当である必要があります。
高配当が配当利回り何パーセントかは人によるかと思いますが、個人的には3.5%〜が高配当の域に入っても良いのでは無いかと思います。
人気高配当ETFであるVYM HDV SPYD辺りで考えると、3.5%〜を達成しているのは(2022年1月現在)
VYM2.74% HDV3.47% SPYD3.76%
SPYD1つとなります。
程よく分散されていること
卵を一つのカゴに盛るな
とは投資家の中では常識ですが、同じように株も一つの株やセクターに集中するとリスクが高くなります。
そのため程よくセクターがバラけた状態であるETFが理想です。
その分リスクが低減されるからですね。
高配当株はどうしてもセクターが偏りがちですが、出来ることならば満遍なくセクターが分けられたETFを持ちたいところです。
増配が続くこと
インカムゲインにおいて配当金の金額が全てです。
であるならば、増配が続くETFを選ぶのは当たり前でしょう。
せめて減配しない銘柄を選ぶ必要があります。
米国株は何年も増配し続ける配当貴族の銘柄が多くあります。
そう言った銘柄が多く含まれるETFを選ぶとよいですね。
連続増配しているETFといえば、VTIやVYMでしょうか?VIGは連続増配銘柄が投資対象ですが、過去に減配をしていますのでVYMかVIGならVYMの方がおすすめですね。
対してSPYDは2020年、2021年と連続して減配し、いささか安定に欠けています。
インカムゲインのメリットとして、安定的に配当が貰える事を考えると、安定性に欠けるSPYDは選びに辛いETFとなります。
価格下落リスクが低いこと
高配当の良い点は、暴落時の価格下落リスクが低いことがあります。
キャピタルゲイン狙いの投資だと、暴落時に一気に株価が落ちてしまい、強靭なメンタルで無い限り心理的ストレスはかなり厳しいことが考えられます。
その点配当金は価格下落率ほど減配しませんし、株価も落ちにくい傾向があるため心的ストレスは軽減できます。また、株の下落を配当で補うことが可能となります。
高配当投資はあくまでインカムゲインが狙いですので、株価が幾らになろうとも関係ないのが良い点です。
むしろ保有数を多くできる絶好の買い場とも言えますね。
ただし、2020年のコロナショック時は全ての株が急激に落ちたものの、ハイテク関連の戻しが脅威的で、わずか数ヶ月で元値まで回復しました。
その点バリュー株は戻るのが遅くなりました。
今回のコロナショックが異次元の金融緩和とコロナという特殊環境であったこともあるかと思いますが、今後もバリュー株の方が下落耐性が高いかは要検討かもしれません。
2020年コロナショック時のQQQ・VYM・SPYDの戻りの違い
価格が長期的に変わらない、もしくは緩やかな上昇であること
インカムゲイン狙いの投資にとって、大事なのは配当利回りと株式数です。
利回りが高ければ配当金が多く貰え、株式を多く持っていれば配当金が多く貰えます。
つまり株式を多く手に入れるためには、株価が上がらない方が良いと言う事になります。
ただし、株価が長期的に下がっている銘柄を選んではいけません。
長期的に下がると言うことは、何かしら問題があると言う事に他なりません。
特にETF・投資信託で株価、純資産が下がっているものはタコ足配線型などといった、罠銘柄の可能性があります。
また、高配当でありながら株価がどんどん上がる銘柄も本来の目的に反しているためオススメできません。
高値になればなるほど購入できる枚数が減るからですね。
そう言った点でいえば、VIGの株価上昇率はインカムゲイン狙いとしては高すぎると言えます
理想の高配当ETFまとめ
上記5つの条件を満たすETFは無いかもしれませんが、出来うる限り近いETFを探すことはできます。
個人的にはやはり王道であるVYMが最も近いのではないかと思いました。
また、最近流行りのQYLD、JEPIといったコールオプションの中身は、QQQやSP500といったキャピタルゲインです。
よって下落耐性が低く、また配当利回りも株価によって大きく左右されるため、安定性に問題があります。
王道的高配当ETFとしてはおすすめできませんが、その点を理解しての投資であれば問題ないかと思います。
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