成人になって年金を払い出すと、誰しもが一度は将来自分が貰える年金の金額について考えた事があるかと思います。
今の日本において年金は大変厳しい状況にあり、ゼロになることは無いものの、今後さらに支給額が減らされるのは必至です。
そんな中、年金は今から払ったら損、いつまで生きるかわからないから、払い損にならないよう、65歳より前に貰ってしまおう。
と考えてしまう人が多いですが、ちょっとまった!
それは大いに勘違いしている可能性があります。
その勘違いで将来大変な目にあうかもしれません。
年金の本来の目的と、大変な目に遭わない方法を解説します。
国民年金保険料はあくまで保険
国民年金保険は保険とつくように、補償ではなく保険です。
保険とは
保険は、日常生活で起こる様々なリスク(危険)に備える制度です。
リスクに個人の力だけで対処するのは困難なことも少なくありません。そこで、同じように不安を感じている人々から一定の保険料を集めて、万が一の事態に備えようとするのが保険です。
「万人は一人のために、一人は万人のために」という相互扶助のシステムのもとで人々のリスクを軽減すること。これが保険制度のあらましであり、社会的な役割なのです。
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/guide/study/hoken.html
つまり、保険はあくまでリスクに対する備えであり、保険で儲けるものでは無い。ということですね。
あまりにも年金を貰えるのが当たり前で(強制加入なので貰えないと暴動が起きそうですが)忘れがちなのですが、あくまでも老後の生活のリスクを減らすために加入する保険が、国民年金なのです。
そのため考え方としては、
老後資金は各自で用意して、それでも足りない分を年金で補完する。
というのが本来の正しい年金の使い方となります。
そもそも老後資金がない
ですが、そもそも育児や普段の生活で老後資金自体がない。と言う人も多いかと思います。
そう言う人は年金こそが生命線であり、年金に頼って生きて行かねばなりません。
すでに受給されてしまっている人は今の年金でやっていくしかありませんが、まだ年金の受給まで時間があると言う人は、対策が可能です。
年金を賢く受け取って豊かな老後生活を
一般的には65歳で定年退職が多いかと思いますが、65歳で仕事を辞めると、収入が年金だけとなり一気に生活が厳しくなります。
そのため多くの人が年金を貰いつつ、減額されない中で働き続けている(続ける事になる)のですが、その時の選択肢として幾つかの方法があります。
注意すべき点として、老齢厚生年金は収入が一定量を超えると減額されます。
年金を受給しながら働く場合は、働ける金額に限度があることも注意が必要です。
- 老齢厚生年金・老齢基礎年金を65歳から受給する
- 老齢厚生年金・老齢基礎年金両方を繰下げする
- 老齢厚生年金だけを繰下げし、老齢基礎年金だけを受給して、仕事量を減らす
- 自営業になって年金を満額もらう
老齢厚生年金・老齢基礎年金を65歳から受給する
老齢厚生年金・老齢基礎年金を65歳から受給する場合、年金を貰いつつ、減額されない程度で働く必要があります。この方法を取られている方は多いのではないでしょうか。
ですがこの方法の場合、年金の増加が見込めないため、一生働き続ける必要があります。
65歳段階で十分な年金が貰える人以外はおすすめしません。
老齢厚生年金・老齢基礎年金両方を繰下げする
両方の年金を繰下げ受給することで、最大42%年金の金額を増やす事ができます。(2022年現在)
この場合大幅な増額が見込めますが、70歳(75歳)まで働き続ける必要があり、好きな仕事や、ボケ防止・老化を抑えるための運動と思って働くのであれば健康的でよいのですが、生活するためにイヤイヤ働くのは肉体的にも精神的にも辛いです。
労働にたいして自分はどのように感じているのか、また老後の資産状況に応じて検討してください。
老齢厚生年金だけを繰下げし、老齢基礎年金だけを受給して、仕事量を減らす
会社に65歳以降も所属出来るのであれば所属し、老齢基礎年金(国民年金)だけを受給して仕事量を減らす方法です。
年金は老齢厚生年金・老齢基礎年金どちらか一方だけ繰下げ受給する事が可能です。逆に繰り上げは両方繰り上げる必要があるので注意が必要です。
この方法のメリットは、老齢基礎年金を受給することで、現役時代より労働時間を減らすという選択肢があると言う事です。
また、老齢基礎年金は減額される事がないため、もし会社に労働日数を減らせないと言われても、給料+老齢基礎年金分の収入になるため、65歳以前よりも給料が増える事になります。
さらに、厚生年金には引き続き加入するため、老齢厚生年金の繰下げ+老齢厚生年金受給額アップというダブルの金額増加が見込めます。
労働環境を特に変える必要も無く。年金が十分だと思える金額にまで達すれば仕事を辞めることも出来るので、比較的気楽に選べる選択肢だと思います。
自営業になって年金を満額もらう
自営業は個人事業主ですので、社会保険に入りません。そのため老齢厚生年金を満額受給することが可能となります。
例えば退職後、自営業者となり、働いていた会社から外注という形で仕事を請け負う場合、
仕事の仕方は今まで通りですが、自営業者のため給料+老齢厚生年金(満額)+老齢基礎年金(満額)を受け取ることが可能です。
今まで通りの給料を受け取りつつ。年金も満額もらえるわけですね。
ただしこの方法は国民健康保険が高くなってしまいます。
そのため別の方法として。
勤め先にはそのまま勤め続け、社会保険料が最低限の金額になるような給料にしてもらいます。(1週間の労働時間が20時間以上、年収106万以上など条件があるので会社と応相談)
それとは別に自営業で収入を得ることができれば、社会保険料に加入しつつ、自営業収入、年金も満額もらうことが可能となります。
年金とは別に資産形成を
老後まで時間のある人は、老後資金用に資産形成をしておくとさらに安心できます。
資産形成として、つみたてNISAやiDeCoなど税制優遇された制度もありますので、ぜひ活用してみてください。
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